紹介

「19年ぶりに訪れた故郷の海辺の町。そこで、水島はかつて想いを寄せていた同級生の美緒と再会し、けんかに明け暮れた青春時代を回想する。表題作の『ハマボウフウの花や風』をはじめ、伸銅品問屋の臨時社員となった主人公が、仕事先で出会った美しい女性に手紙を書く『倉庫作業員』など、男達のさまざまな季節を描いた珠玉短篇集。」

文春文庫

【感想】2009-12-11

様々な仕事場の中で生じる、いろいろな人々の情緒をせつなく描いた短編集。
椎名誠を読んでいる人には私小説として思い描かれる内容が多い。
そしてその背景はとても昭和的であり、感傷も味わえる。

この小説ではふたつの短編が映画化されているらしい。
「倉庫作業員」は、山田洋次監督の「息子」。
「三羽のアヒル」は、椎名誠本人監督の「あひるのうたがきこえてくるよ」。
とても映像的な私小説でもあるわけだ。


羊男

物語千夜一夜【第百二十一夜】