2006年06月30日
半村良
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おお。
忘れていた頃に「太陽の世界」はやってくる。
かつて一冊も置いてなかったブックオフに、文庫版全14冊が置いてあるではないか。
もちろん、バラ売りで。
これが普通の古本屋ではあり得ないことだ。
さすがに気がひけたが、ルールなので、12巻だけ購入。
後に残った本たちはどうなるのだろう。
やっぱり全巻買っとけばよかったかなあ。
申し訳ないなあ。
とにかく全巻揃った「太陽の世界」だが、まだ読む気にはならない。
しかし今年読まなければ、もう一生読まないんだろうなあ。
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2006年06月20日
「鮫」真継伸彦 河出書房新社
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そういえば、こういう作家もいたなあ、とブックオフで購入。
かなり独特な小説世界は昔の小難しい前衛映画のよう。
果たして読みきれるのか。
あきちゃいそう。
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2006年06月15日
半村良
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週に一回ぐらいはブックオフに通っていたのだが、「太陽の世界」の入荷はなかった。
かなりたってるからと、ネットの古書店を探すとありました。
8巻が百円で。
しかしそれだけ買うと送料が。。
ついつい、読まないであろうボルヘスなど買ってしまい、結局高くつく。
最後の12巻が手に入らない。
どうしたものか。
ネットをのぞいても単行本の12巻しかない。
しかも五百円。
ルール変更か?
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2006年06月05日
「天使も踏むを恐れるところ」フォスター 中央公論社
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タイトルが凄くかっこいい。
イタリアという国をななめに見ている英国人の小説という感じ。
中身も面白いのだが読みきる時間がない。
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2006年06月01日
半村良
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しばらくして、三件目のブックオフに行くが、「太陽の世界」は一冊もなかった。
ちょっと焦りだして、ネットで古本を探してみる。
あるにはある。
しかし100円で集めること、というルールを決めていたので、揃いの二千円は諦める。
しかしこのぐらいの値段なんだな。
ちょっとさびしい。
とりあえず100円で手に入るものを三つの書店で購入。
それってルールには適用するが、送料が高いじゃん。
あほ。
残ったのは、8巻と12巻。
どちらも三百円とか五百円もするじゃん。
しばらく、待ちですな。
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2006年05月03日
「神州天馬侠」吉川英治 講談社
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日本を代表する大衆作家の少年向け伝奇小説。
面白いのだが、やはり子供時代に読むべきものか。
中断しつつ読んでいるので、なかなか読み終わらない。
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2006年05月01日
半村良
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長野市には三件のブックオフがある。
どちらにしても中断には変わりないので、既に買ってしまった文庫本を無駄にしないように、仕方ないから文庫本だけでも集めるか、と二件目のブックオフに入ってみた。
欠けていた5,6,11巻が見つかる。
案外とすぐに揃うのではないか。
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2006年04月15日
「碑夜十郎」半村良 講談社文庫
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講談、というスタイルに上巻は、その雰囲気に浸り込む。
さすが半村さん、筆が上手というのは当たり前なんだけれど、もう名人芸の類い。
どんどん物語に引き釣りこまれる。
こんなに時代劇が面白いのなら、もっと早くから読んでおけばよかったなあと後悔するほどに、次の展開が待ち遠しいのだ。
まあ、異人というか、スーパーマンが活躍する講談は当たり前なのだが、その異人を中心にちょっとづつ世界がづれていくのが、普通の時代劇とは違うところ。
というか半村さんが書くのだから、当たり前。
だんだんと話がSFめいていく。
アイディアは「戦国自衛隊」にタイムパトロールをプラスした感じ、か。
昔の光瀬龍とか豊田有恒が書いていたSFに近いが、どっぷりと江戸時代の風俗を描ききってしまうのが、半村さんならでは。
なんか話のタネを書いてしまうとつまんなくなって、したり顔でそいうい話ならいいや、なんてことになりかねない、とてもストレートな話の展開なんだけど、この面白さは読んでみないとわからない、という話芸の神髄なのかも知れない。
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2006年04月10日
「幻視街」半村良 講談社文庫
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街をテーマにした短編集。
「獣人街」が凄く面白い。
これからもっと面白くなるのに、というところで唐突に終わる。
これって別名で長編になっていないのかな。
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2006年04月01日
半村良
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まあ、すぐにも読みたいという感じではないので、ブックオフに行けば、置いてあるかな?と思い、半村良の収集を始めた。
郊外のブックオフに行ってみると、「太陽の世界」の単行本はなかった。
文庫本の1〜4,9,10巻があったので、買ってくる。
とりあえず、時間をかければ100円本で見つかるだろうと思い、文庫本で集めることにする。
背文字のデザインとかばらばらで、案外と重版になっていたのですね。
しかし、何巻まで出たのがわからないので、ネットで調べてみる。
すると単行本は18巻まで、文庫本は14巻まで刊行されていた。
中途半端だなあ。
これも角川の経営者が代わったためか?
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2006年03月14日
「やかんの本」麻布やかん組合編著 ロコモーションパブリッシング
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やかんの写真集である。
ふるめかしいやかんが写してあるだけの本である。
でもいいのである。欲しくなるのである。それだけである。
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2006年03月13日
「善光寺道を歩く」傳田重義 東峰書房
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まあ多少は地元のことも知らないとなあと、図書館で借りてきてパラパラとめくってみた。
写真が多いので、読みやすい。山国なので、宿場町というのものが地の利が良い場所にできたというのがよくわかる。
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2006年03月12日
「リブレソフトウェアの利用と開発」飯尾淳 SRC
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オープンソース諸々を新しい名前でくくって、総合的なマーケットを想定して書いたのだろうと思うが、日本では広まらなかったみたいである。
概説本としては価値があると思うが、やはり企業本であって記述に熱がなく、いまひとつである。
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2006年03月11日
「伝奇集」ボルヘス 岩波文庫
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ボルヘスと芥川龍の介、あるいは中島敦の近親性というものは何なのだろうか、ということをづっと気にしてきた。
最近思ったことは、どちらも本歌取りではないかということだ。
これはラテンアメリカのマジック・リアリズムと日本の江戸文学との近親性にも言えることなのではないだろうか。
もともとスペインという宗主国を抱いていたアルゼンチンという国の文化の源流はそこから遡り、ヨーロッパという近親憎悪の対象に向かっていく。
江戸文学も多少の違いはあるが、中国という文化に対する影響や劣等感が見え隠れしている。
そうした背景を持つアルゼンチンと日本の近代作家としてのボルヘスなり、芥川と中島は、もう少し視野が広がった世界の中で、知的な地図を再構築しているのだ。
ボルヘスはスペイン経由のヨーロッパ文化を経た上で、中国文化に影響されていく。
芥川は中国という大きな文化背景を通して、ヨーロッパの知識を吸収しようとしている。
中島敦も同様だ。
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2006年02月21日
伝奇小説とは何か?その二
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はじめて私が「伝奇小説」という言葉とともに読み込んだのが、半村良の「妖星伝」である。
正確には伝奇SFというジャンルのネーミングが講談社文庫の帯にはされていたと思う。
高校生のときに読んだこの本がすべてのスタートであり、私の伝奇小説観の基礎となっている。
その後さまざま小説を読むうちに国枝史郎という作家がいたことを知る。
まあ当然のなりゆきである。
ただその当時も今も国枝史郎の本は簡単には手にはいらない。
講談社文庫ではじまった「大衆文芸館」というシリーズで高名な「神州纐纈城」が読めたぐらいで、いまは新刊書店で手に入れることができる学研文庫の「国枝史郎集」ぐらいとそうたいして状況は変わっていない。
ただ未知谷という変わった名前の出版社から国枝史郎全集が出ているため、かつての流行作家としての人気がまったくないというわけではなく、コアなファンは多く存在するものと思える。
この大御所のふたりを伝奇作家とすることにあまり異はないと思えるが、それでもふたりの作家はタ様な小説を書いており、伝奇小説はその一部といった方が正しい。
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2006年02月20日
伝奇小説とは何か?
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伝奇小説とは何か?これに答えるのは難しい。
果して伝奇というコアなジャンルはあるのだろうか?
あるとすればそれはどんな小説なのか?
時代小説や怪奇小説はたまたSF小説といったクロスジャンルの中で成立するもので、単独でその世界を作っているジャンルではないのではないか。
伝奇作家として揺るぐことのない国枝史郎にしても半村良にして、彼らの小説は時代小説であり、幻想小説なのである。
ただ旧代の唐代や江戸の伝奇と現代の伝奇小説との違いとして後者は、異物の混入あるいはメルティングポッドな世界を形成することにあるだろう。
その典型的な例がこの「戦国自衛隊」ではないだろうか?
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2006年02月14日
「死者の書」映画化
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こんな極北の文学までが映画になるとは思いもしなかったですね。
よくもまあ。豪胆な勇気だなあと思ってしまいますが、単なる思い込みだけなのかも知れません。
日本人の血が流れていないと、この小説はわかるまい、なんて思っているのは大いなる勘違いかも知れず、イタリア語あたりに翻訳してみると案外とラテン文学とよく似ていたりして。
島国根性というのは、単なる思い込みの強さだけだったりして。
よく考えたら、日本の学生はエリザベス朝の英語を読まされたり、夏目漱石あたりからの伝統的な英国を見たりして、イギリス贔屓になるように、三島由紀夫や折口信夫を読んで古き良き日本に憧れたりするのかもね。
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2006年02月01日
「ぼくはオンライン古本屋のおじさん」北尾トロ 風塵社
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タイトル通り、フリーライターがインターネット専門の古本屋を立ち上げるまでの格闘記。
ライターということもあって、構成がうまく一気に読ませる。
2000年発行のものなので、今のネット古本屋の事情はどうなっているのかわからないが、自分でもやってみたくなるようなノセ方がうまい。
既にこの頃から一般的なジャンルの古本屋ではなく、特化したジャンルの本だけを集めるという手法で副業ならしめていたようである。
それでもかなりの労働量で利益が月に5、6万円ぐらいだから、ちょっとサラリーマンには難しそうではある。
始めるのは他の仕事に比べる楽そうではあるが、仕入れを含め、続けるのはとてもたいへんそうである。
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2006年01月29日
日曜日。
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本を読んでいて、ふつふつとオンラインの古本屋をやることを考える。
特に副業としては時間以外のリスクはあまりないのではないのか。
とにかく調べることはいっぱいあるので、時間が必要だ。
なんにつけ、いまは時間がとにかく足りないのである。
でも古本屋というのは魅力的だし、リサイクル本屋に通う目的も変わってくるのがうれしいし。少しづつ調べて、やってみようかと思う。
まずはアマゾンからなのだろうか。
そしてリスト作り。まずは半村良からか。
ということで、今日から収支をつけていったら面白いのではないか。
例えば、昨日100円で買った本。
「半七捕物帳・続」岡本綺堂 講談社文庫 大衆文学館
「バルセロナ物語」ミッチェナー 安引宏訳 福武文庫 わか青春のスペイン・1
「剣鬼らは何処へ」歴史ロマン傑作選 講談社文庫
「万葉名歌」土屋文明 現代教養文庫
ただいま、マイナス500円。
というふうに。
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2006年01月28日
「文庫ハンターの冒険」司悠司 学陽書房
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タイトル通り、文庫コレクターに陥ってしまった人が語る文庫への執念のお話。
絶版文庫への熱さがこちらに伝わってくるような思い入れだが、あくまで文庫フェチ的であまりそれぞれの本の内容にはふれていないのが残念だ。
リストを見ると「少年倶楽部文庫」というのは、山中峰太郎や海野十三など読みたいものが多いし、横尾忠則装丁の「国枝史郎伝奇文庫」なぞはどうして復刊しないのか、いったい江戸川乱歩の文庫全集は何種類あるのか、などと気になってしまう。
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2006年01月25日
「ザ・ゴール」エリヤフ・ゴールドラット 三本木亮訳 ダイヤモンド社
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かなり以前にベストセラーになった本だ。
製造業の工場立て直しを制約理論なる代物でドラマチックに描いたビジネスノベルである。
話題になっていた当時は会社でERPをやっていた人が面白いよ、と言っていたが、もちろん見向きもしなかった。
いまそのERPに係わるようになってからこれを読むと、本当に面白い。
物語を動かしている理論もそれなりに面白いが、小説としての出来もよいもので、エンターテーメントのようにぐいぐい読ませる。
もっと早くに読んでおけばと思うほどである。
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2006年01月15日
「出版の意気地」櫻井毅 西田書店
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「櫻井均と櫻井書店の昭和」といったサブタイトルが表す、そのままの内容。
父親の姿を子が描いたもので、意気地のある出版者の一生と彼が出版した本を書いた文学者たちとの交流が主に描かれている。
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2006年01月09日
「キテレツ古本漂流記」北原尚彦
青弓社
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喜国本の影響でまたも古本に関するエッセイを読む。
この人の「本の雑誌」での連載は面白いんだよね。
このエッセイ集はちょっとこぶりだけど、その偏眼はかなりイッテイル。
特に北朝鮮で出版されたキム・イルソンの少年記をジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記と比較考察した「金日成主席がヴェルヌを翻案?」はすごいい。
それにサントリー創業者が秀吉崇拝者でこれはやばいいんでない?というトンデモ本を書いていることを発見したりするのもすごいい。
またアメコミから発掘した「サムライ・サンタ」や「戦前の宝塚にSF歌劇を発見!」など読みどころも多い。
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2006年01月06日
国枝史郎 青空文庫(1) 
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正月休みに青空文庫から国枝史郎の短篇をダウンロードして文庫本を作って読む。
国枝史郎の古本はどれも高いし、手に入りにくいのでとても便利だ。
「天草四郎の妖術」
ある時期まで天草四郎は白痴に近く、ある事件をもとに天使として目覚め、そして滅びて行く過程を軽めの劇画調に描いている。江戸時代に蛇使いといった印度芸能が小道具として使われているあたりが国枝ならではである。
「一枚絵の女」「犬神娘」
どちらも犬神という畏怖的な存在をモチーフに描いた短篇。
多少おどろおどろしい場面もあり、横溝正史的か(逆だけど)。
「開運の鼓」
勝海舟が世に出るまでの契機がある太鼓の音によって導かれて行ったという、よくあるパターンの伝奇。
「猿ヶ京片耳伝説」
濡衣を着せられた男の片耳を切り落とすというモチーフをもとに、カルマ的な人間の繋がりを描いた短篇。これはおどろおどろしいものではなく、心理劇、時代劇に近い伝統的な情緒的短篇。
「村井長庵記名の傘」
これも時代劇に近い情緒的な短篇。
「鴉片を喫む美少年」
江戸時代に漂流して阿片戦争最中の上海に流れ着いた美少年がたどる、数奇な生活を描いた短篇。阿片窟での奇態を描いた小説はたしか芥川か谷崎にあったと思うが、そこは国枝らしくどことなく西洋の文調がある。
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2006年01月05日
「読むのが怖い!」北上次郎×大森望
2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド
ロッキング・オン
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かけあい漫才的なブックガイド。なぜか渋谷陽一が司会だったりする。
そこで北上次郎がレッドゼップを知らないくだりが出てくるのが面白かったりと、けっこう北上次郎の常識を試すような発言があちこちに。
まあだらだらした正月にはちょうどよい読み本でした。
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