◆2000年度こんなの読んだよランキング◆70冊◆

★★★★本
2000年の1年間に読んだ本の中でもっとも感動した本

1.「オウエンのために祈りを」ジョン・アーヴィング
2.「リヴァイアサン」ポール・オースター
3.「魔法」クリストファー・プリースト
4.「パウァーヌ」キース・ロバーツ
5.「希望の国のエクソダス」村上龍

今年は英米作家の作品で落ち着いていて深みがあるものが上位に来ました。
アメリカ作家の比較的新しい作品で、個人の人生と歴史がからみあって流れているもので、非常に現代的な哀しいお話でした。
イギリス作家はちょっと古めのSF作品で、こんな渋い小説があったんだなあと楽しみました。
日本作家のベストセラーはぐいぐい引き込まれた、現在の日本をよく現している小説でした。



★★★本
とても興味深くて、楽しめた本

6.「ヴィトゲンシュタインの箒」D・F・ウォレス
7.「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹
8.「スプートニクの恋人」村上春樹
9.「日本アパッチ族」小松左京
10.「果てしなき流れの果てに」小松左京
11.「すばらしい新世界」池澤夏樹
12.「アシェンデン」モーム
13.「真珠」スタインベック
14.「トロッコ」芥川龍之介
15.「ドリームマシン」クリストファー・プリースト
16.「ホテル・ニューハンプシャー」アーヴィング
17.「第四間氷期」安部公房
18.「ゴミ投資家のための人生設計入門」

「ヴィトゲンシュタインの箒」世界はすべて言葉の中に放り込まれてしまう。
これは天才的な小説家のもので、いまひとつ理解できないところがありました。
小松左京はいまでも再読に耐えうるのがわかったし、SFもまだまだ読んでいない名作があるのがわかった年でもありました。
まあ、傾向として人生の機微が味わえるような小説がここには入っています。



★★本
面白かった本

椎名誠の小説

19.「岳物語」
20.「哀愁の町に霧が降るのだ」
21.「新橋烏森口青春篇」
22.「銀座のカラス」
23.「アド・バード」

椎名誠のエッセイ

24.「にっぽん・海風魚旅 怪火さすらい編」
25.「むははは日記」
26.「昼めしのもんだい」
27.「あるく魚とわらう風」
28.「カープ島さかな作戦」
29.「モンパの木の下で」
30.「全日本食えばわかる図鑑」
31.「麦酒主義の構造とその応用力学」

今年はたくさん椎名誠を読んだのだ。
この本たちに書かれている楽しさは無類のものだ。
ばかばかしさというものはけっこう主義や主張によってヴェールをかけられていることが多いが、ここにあるのはただ喜怒哀楽に直結したばかばかしさなのだ。
いまの時代にはこうしたストレートさが受け入れられると思う。
あるいは現代にはとても重要なものなのか。
膨大な個人ホームページに書かれている文章のノリは椎名誠の文体と近いように思えるときがある。
本心を描くときの恥ずかしさがにじみ出てくるような文章がそれだ。
自分を飾らない、あるいは自分を褒めるときに書かれる文章の恥らいというものが、椎名誠の文体なのだと思う。
この心地良さは社会と切り離されているときが多いのがひとつのキーで、別に世の中のためにやってんじゃないんだもんね。
という突き離しがまた心地良いのだ。
吉本隆明が椎名誠は現代の太宰治だ、と言ったのはこんなところにあるのかな。



★本
ふつうの本

32.「IT革命のリアリティ」JMM vol.7
33.「教育における経済合理性〜教育問題の新しい視点」JMM vol.8
34.「少年犯罪と心理経済学」JMM vol.9
35.「希望の国のエクソダス・取材ノート」村上龍
36.「なぜ学校に行かせるの?」寺脇研
37.「少年A この子を生んで」
38.「知られざる日韓サッカー激闘史」康奉雄
39.「中田語録」
40.「たったひとりのワールドカップ」一志治夫
41.「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」村上春樹
42.「そうだ、村上さんに聞いてみよう」村上春樹
43.「チェーホフ選集」
44.「カポーティ短編集」
45.「ダイアローグ・2」柄谷行人対談集
46.「憂国呆談」浅田彰+田中康夫
47.「skmt」坂本龍一+後藤繁雄
48.「百物語」杉浦日向子
49.「南国に日は落ちて」プイグ
50.「燃ゆる炎」スタインベック
51.「アレキサンダー・ポープといわゆる人工派の詩」夏目漱石
52.「マダガスカルの幽霊レムール」ウィリアム・バロウズ
53.「前日島」ウンベルト・エーコ
54.「死の迷路」P.K.ディック
55.「モロー博士の島」ウェルズ
56.「逆転世界」クリストファー・プリースト
57.「SFハンドブック」早川文庫編
58.「思考する物語」森下一仁
59.「ハイ・フィディリティ」ニック・ホーンビィ
60.「クジラがみる夢」池澤夏樹
61.「アカシアの大連」清岡卓行
62.「谷間の百合」バルザック
63.「若い小説家に宛てた手紙」バルガス・リョサ
64.「退屈な読書」高橋源一郎
65.「新教養主義宣言」山形浩生
66.「ディープ・パープル 紫の伝説」
67.「超読書体験」コリン・ウィルソン
68.「IT革命のカラクリ」月尾嘉男+田原総一郎
69.「スティンガー」ロバート・マキャモン
70.「パパはごきげんななめ」西成彦×伊藤比呂美

村上龍の経済的接近に影響されて読んだ本やら積んであった本を読んでみたので、ここに並んでいる本の大半は古本屋に行ってしまいました。


2001.1.1

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